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フォークリフトの作業は安全が第一。安全を守るための法定点検を解説


 

フォークリフトには法定点検が定められている

一度に多くの荷物を運べるフォークリフト。
物流や建築などの現場では欠かせません。

 

しかし、フォークリフトでは、作業員が巻き込まれる事故が多く起きています。事故を避けるためにも効率良く作業するためにも、フォークリフトの作業では安全が第一に求められます。

 

フォークリフトでの作業の安全を確保するために、定期的な点検が法律によって定められています。法定点検と呼ばれるこの点検は、フォークリフトを点検し、どのような検査結果だったかの記録を保管することを義務としています。

 

また、これに反したときの罰則も設けられています。

 

「自分は大丈夫」「これまで事故が起きなかったから」と過信するのではなく、法律を遵守して日常的な点検を欠かさず、安全に作業を進めましょう。

 

今回は、フォークリフトの作業に定められた法定点検がどのようなものであるかをわかりやすく解説します。

 

法定点検の内容

定期的な点検を定めた法定点検には
・年次点検
・月次点検
・始業前点検
などの種類があります。

 

フォークリフトの点検は、これらに限らず、作業前には必ず行うようにしましょう。

 

年次検査

法定点検の年次点検は、資格を持った人または定められた検査業者が行わなければならないと決められています。

 

1年以内に1回行うことが定められており
・圧縮圧力と弁隙間そのほか原動機
・動力伝達装置
・走行装置
・舵を取る車輪の回転角度など操縦装置
・レーキなど制動能力などの制動装置
・荷役装置
・油圧ポンプや安全弁などの油圧装置
・電気系統
・車体、警報装置や指示器、ヘッドガードやバックレスト、灯火装置、計器
に、それぞれ異常がないかを点検しなければなりません。

 

また法定点検の検査結果は、3年にわたって保管することが義務付けられています。

 

検査を実施し、異常がなかったフォークリフトには、検査を実施した年月を明示する検査標章を付けることも決められています。さらに、これに反した場合には、50万円以下の罰金が設けられています。

 

月次検査

法定点検の月次点検は、1ヶ月以内に1度行うことが決められています。
・制動装置、操縦装置、クラッチ
・荷役装置と油圧装置
・ヘッドガードとバックレスト
に、それぞれ異常がないかを点検し、年次点検と同じように、検査結果は3年間の保管が義務付けられています。

 

始業前点検

始業前点検も法定点検として定められた一つです。始業前点検は、フォークリフトで作業をする前に行わなければなりません。

 

フォークリフトを使うごとに点検を必要とするため、面倒に感じたり、作業量が多い場合には手間を省きたいと思ったりするかもしれません。

 

しかし、フォークリフトで作業をする前には必ず行うようにしましょう。

 

始業前点検は
・制動装置、操縦装置、荷役装置、油圧装置
・車輪
・前照燈と後照燈、方向指示器、警報装置
に、それぞれ異常がないかを点検します。

 

点検で異常があった場合には、そのままフォークリフトでの作業を始めるのではなく、必要な修理を行わなければなりません。

 

異常があった場合には

法定点検を行い、異常があった場合には、必要な修理を行うことが定められています。

 

法定点検をできるのは

法定点検は、誰でもできるというわけではありません。
各労働局に登録された検査業者による法定点検または資格を持った人による検査でなければなりません。

 

登録された事業者は、検査業者として労働局の許可を受ける必要があります。また、法定点検を行える人は、決められた研修を修了しているか、決められた資格を持った人でなければなりません。

 

これらの条件を満たしていない業者や人が法定点検を行っても、検査や検査結果は無効になり、フォークリフトの法定点検を実施していないことになります。

 

検査標章

法定点検を終えたフォークリフトに対しては、社団法人建設荷役車両安全技術協会から標章が発行されます。この標章をフォークリフトに貼ることで、法定点検を終えているフォークリフトであることを示せます。

 

標章は三角形で、三角形の頂点には、法定点検を実施した年度が示され、表記されている数字は、法定点検を実施した月を示しています。
法定点検を実施し、検査を終えているフォークリフトは、この標章を貼ることも決められています。

 

安全のために

フォークリフトの作業では、時間の短縮や作業の効率化が迫られ、必要な点検やメンテナンスを行わなかったことによる事故が度々報告されています。

 

公道を走るトラックとは違って身近で使いやすい重機であるため、危険に対する認識が薄いかもしれません。しかし、フォークリフトも使い方によっては人命に関わる大きな事故が起きるときもあります。

 

時間を惜しみ、点検やメンテナンスを行わなかったことで引き起こされる事故も少なくありません。
フォークリフトの作業は、研修を終えたばかりのときなど、慣れていないときは慎重になります。

 

しかし、徐々に作業に慣れると、ついつい研修で教わった安全確認を怠りがちになります。
しかし安全にフォークリフトを扱うことが、効率の良い作業には欠かせません。

 

安全のために、法定点検や必要なメンテナンスを怠らないよう、日頃から心がけるようにしましょう。

 

まとめ

今回は、フォークリフトに定められた法定点検がどのようなものであるのかをわかりやすく解説しました。

 

フォークリフトには
・年次点検
・月次点検
・始業前点検
が法定点検として定められています。

 

それぞれ、年や月ごと、またはフォークリフトでの作業の前に行うものです。
法定点検は、誰でもできるというわけではありません。

 

決められた許可を得ている業者や資格を持つ人が責任を持って検査する必要があります。また、許可や資格のない業者や人が点検を行っても、検査をしていないと判断され、無効になります。

 

さらに、法定点検を行っていない場合には、罰則が設けられています。また検査によって異常が認められた場合には、必要な修理やメンテナンスを行うことも決められています。

 

建築や物流の現場では欠かせないフォークリフト。

 

効率の良い作業を行うためには、安全であることが欠かせません。フォークリフトは身近な重機であるため、重大な事故には繋がらないと思われがちです。

 

しかし注意を怠ると人命に関わる重大な事故に繋がります。
効率の良い作業を進めるためにも、安全を最優先して、法律によって定められた点検を欠かさず行うようにしましょう。

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