フォークリフトを操作するときには
物流や建設の現場になくてはならないフォークリフト。
多くの荷物を一度に運搬できるため、活用の現場は増えています。しかし、さまざまな現場で使われているため、フォークリフトの使用に際して起こる事故も増えています。
そこで今回は、フォークリフトの基本的な操作とルールをわかりやすく解説します。
普段使い慣れていると、ついつい点検や安全確認を怠ってしまいがちです。また作業を早めるために、必要な操作を省略してしまう場合もあるでしょう。
安全のために今一度、操作方法とルールを見直し、しっかり実践して、事故のない現場で作業しましょう。
基本操作は
まずはフォークリフトの基本的な操作を紹介します。
忘れがちになる安全確認や、基本的な操作を確認していきましょう。
作業前点検
フォークリフトで作業を始める前には、作業前点検が必須です。
フォークリフトに異常がないかを確認しましょう。オイル漏れやタイヤの異常、ライトの破損がないかを確認し、正常に操作できる状態かを確認します。
また、作業前点検では、フォークリフトだけではなく、これから作業する場所に障害となる物が置かれたままになっていないか、フォークリフトの走行の妨げとなるものがないかなども確認しましょう。
乗車
作業前点検で異常がなければ、フォークリフトに乗車します。運転席の左側からの乗車が基本です。
左手でアシストグリップを握り、右手はドライバーシートの背を持った状態で、左足を乗降ステップにかけます。そのまま体を運転席に滑り込ませると、フォークリフトへの乗車ができます。
またフォークリフトに乗車するときは、エンジンが止まっていることを確認してから行いましょう。
発進と停止
フォークリフトに乗車したら、キーを挿し、回してエンジンをかけます。
リフトレバーを引きながら、フォークを少し持ち上げ、チルトレバーを引いて、マストを後ろに倒すと操作が可能になります。
フォークリフトの操作は基本的に左手で行います。左手でハンドル操作をしたり、ハンドルノブの操作を行うため、右手を使うことはあまりありません。
前後進は、それぞれのレバーを引き、サイドブレーキを解除すると行えます。ただし、前後進するときは、周りに障害物や人がいないかをよく確認しましょう。
安全確認ができたら、右足でアクセルを踏み、発進するようにしましょう。
フォークリフトを停止するときは、右足で踏んだアクセルを離して、ブレーキを踏み直すと行えます。
駐車
フォークリフトの駐車は、ブレーキを踏んだまま、駐車ブレーキレバーを引くと行えます。駐車ブレーキレバーを引いたあとで、前後進のそれぞれのレバーをニュートラルに戻します。
フォークリフトを駐車したら、持ち上げていたフォークを元の状態まで戻すようにしましょう。やや前倒しにすることがポイントです。そのままフォークを下ろし終わったら、必ずエンジンを止めてキーを抜きます。
駐車したにも関わらずエンジンをかけたままにしておくと、予期せず発進してしまったり、乗降の際に危険を伴ったりします。
駐車のときに注意したいこと
フォークリフトの操作には、さまざまなルールがあります。特に駐車のときには
・駐車ブレーキをかける
・フォークを床まで下ろす
・平地に駐車する
・前進レバーを中立にして、車輪止めをする
ことを忘れないようにしましょう。
ほんの少しのルールを守らないことが、思いがけない大きな事故に繋がります。
駐車で注意したいのは、平地にフォークリフトを停めることです。
フォークリフトを傾斜面に駐車してしまうと、傾いた方向に動き出し、傾斜面の先で作業している人や置かれているものに突っ込んでしまう危険があります。
そのため、傾斜面にはフォークリフトを駐車しないというルールを必ず守るようにしましょう。
またフォークリフトのギアには、AT車のようなパーキングポジションがないことにも注意が必要です。
パーキングポジションがないため、前後進のギアがそのままの状態になり、車輪のロックができないのです。車輪のロックのためにも、エンジンを切り、車輪止めを忘れないようにしましょう。
駐車以外のときにも
駐車のときには、減速が基本的なルールです。しかし、駐車以外のときにも、フォークリフトの走行には制限速度が設けられています。決められたルールの制限速度を守らなければなりません。
フォークリフトの制限速度は10km/h以下が一般的であり、運搬する荷物や作業場所、周囲の状況などに合わせて、スピードを出さないように注意しましょう。
また駐車する場所や周りに障害物や人がいないかなど、駐車以外のときにも気をつけるポイントを確認しましょう。
服装も注意
フォークリフトを操作するときには、服装にも注意しましょう。ヘルメットや安全靴など、保護具の着用が望ましいです。
ヘルメットは荷物が落ちてきたときや、何らかの理由でフォークリフトから投げ出されてしまったときに、頭部を守る役割を果たすため、面倒に感じても必ず着用するようにしましょう。
また作業服は、レバーや荷物に挟んだり引っかかったりしないものを選びましょう。
フォークリフトには資格が必要
フォークリフトには、資格を持っている人しか運転や操作ができないというルールがあります。1トン以上のフォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能講習を修了しなければなりません。
また1トン未満のフォークリフトの運転には、フォークリフト運転特別教育を修了する必要があります。さらに、講習や教育を受けた際に発行される資格証は、フォークリフトの操作をするときに携帯が必須です。
資格がないままフォークリフトの操作をすることは、法律に違反し、罰金や懲役などの処分が課せられます。必要な講習や教育を受け、知識と技術を持ったうえで、フォークリフトの操作をするようにしましょう。
まとめ
今回は、フォークリフトの基本的な操作やルールを紹介しました。
フォークリフトは活用しやすいという特徴がある一方で、事故が多いものです。
事故を起こさないためには、運転や操作の基本的なルールをしっかり守ることが大切です。これまで事故がなかったからといって安心するのではなく、毎日の点検や安全確認を行うようにしなければなりません。
フォークリフトの操作に慣れているからといって、基本的な確認を怠らないことも重要です。ルールを守って事故を起こさないようにしましょう。