重い荷物を運べるフォークリフト。便利で頼もしい存在ですが、使い方を誤ると重大な事故につながってしまう危険性があります。
2021年度のフォークリフトでの事故件数は2028件でした。この数字から、決して事故は稀ではないということがわかるでしょう。
事故を防ぐためには基本をしっかりと抑え、ルールを守ることが大切です。
この記事ではフォークリフトの駐車時のルールについて解説します。
安全に走行するためのポイントをまとめたので、ぜひ最後までご覧になり日々の業務にお役立てください。
フォークリフトの駐車の手順
まずはフォークリフトを駐車する際の手順について見ていきましょう。
事故を起こさないためには一つひとつの手順を丁寧に行い、指差し確認を実施することが大切です。
手順1.フォークを上げる
まずはフォークを床から5cmほど引き上げます。
手順2.マストを後ろに倒す
次にマストを倒し、発進に備えます。
手順3.レバーを確認しサイドブレーキを解除
前進するときは前進レバーを、後進するときは後進レバーなど、進みたい方向を決めてレバーを入れます。
その後、サイドブレーキを解除しましょう。
手順4.アクセルペダルを踏み発進する
アクセルペダルを踏むと発進します。発進の際は周囲に歩行者がいないか、よく確認をしましょう。
手順5.アクセルペダルから足を離し、ブレーキペダルを踏み停止する
駐車したい場所まで来たらアクセルペダルから足を離し、ブレーキペダルを踏みます。
手順6.ブレーキペダルを踏んだままブレーキレバーを引く
ブレーキペダルを踏んだ状態でブレーキレバーを引き、駐車します。
手順7.前後進それぞれのレバーをニュートラルに戻す
駐車が終わったら前後進それぞれのレバーをニュートラルな状態に戻しましょう。
手順8.持ち上げていたフォークを下ろす
フォークを床すれすれまで下ろします。
手順9.エンジンを止めてキーを抜く
エンジンを止めてキーを抜きましょう。
以上でフォークリフトの駐車は完了です。
フォークリフトを駐車する際のルール
フォークリフトを安全に運用するためには、基本のルールを守ることが大切です。
「もう知っている」と思わず、今一度ポイントをおさらいしましょう。
フォークリフトは有資格者が運転する
フォークリフトを運転する操縦者は、専用の教育を受けた者でなければいけません。
1トン以上のフォークリフトの場合は「フォークリフト運転技能講習」を、1トン以下のフォークリフトの場合は「フォークリフト運転特別教育」をそれぞれ受けている必要があります。
無資格のまま操縦すると労働安全衛生法に違反することになります。事故の危険があるだけではなく罰則が科される危険性があるため注意しましょう。
平地に駐車する
フォークリフトを駐車する際は、必ず平地に駐車しましょう。
傾斜地に駐車してしまうと意図せず動き出してしまい、人や物に衝突する事故につながります。
フォークを床まで下ろす
フォークリフトを移動させる際にはフォークを上げて走行しますが、駐車の際はしっかりと元の位置までフォークを戻しましょう。
フォークが上がったままだと歩行者や荷物が衝突した場合に大変危険です。
車輪止めをする
フォークリフトを駐車したら、必ず車輪止めを設置しましょう。
車輪止めは意図せず走り出してしまうことを防ぎ、事故を未然に防止するため重要です。
車輪止めを用いることで、フォークリフトが意図せず動き出してしまった際にも被害を最小限に抑えることが可能です。
服装を守る
フォークリフトを操作する際にはヘルメットや安全靴など、適切な装備を身に着けましょう。特にヘルメットは事故が起きた際に命を守るために重要です。
服装は引っ掛かりがないものを選び、支障なくレバーが操作できるように気を配りましょう。
制限速度を遵守する
フォークリフトを安全に運用するには、制限速度を守ることも大切です。定められた速度を守り、慎重に運転しましょう。
作業場所にもよりますが、速度は10km/h以下とするのが一般的です。
スピードの出し過ぎは重大な事故につながるため、大変危険です。駐車するときは減速を心がけ、丁寧に走行しましょう。
用途外の使用をしない
フォークリフトは荷物を運搬する重機です。人を乗せて運んだり荷物以外の物を運んだりなど、用途外の使用はしないようにしてください。
少しの油断が重大な事故につながります。用途を守って安全な運用を心がけましょう。
フォークリフトを安全に運転するための心構え
事故を防ぎ、安全にフォークリフトを使用するためには心構えも重要です。落ち着いて周りをよく見て、意図しない接触や事故を防ぎましょう。
もし万が一事故が起きてしまっても、日ごろの心構えがしっかりできていると適切な対策を取れるため、被害を最小限に食い止められます。
落ち着いて走行する
フォークリフトを安全に使用するために大切なことは、操縦者が落ち着いていることです。焦った気持ちで操作しては思わぬ事故を招く確率が高くなり、作業効率も下がってしまいます。
基本の安全確認を怠らず、手順を一つひとつ確認して慎重な操作を行いましょう。
姿勢を正しく走行する
操縦者の姿勢も重要です。姿勢が悪いとそれだけ視界も悪くなり、事故が発生する確率が高まります。
基本は左手でハンドルを操作し、右手は太腿の上に置きます。背筋を伸ばして正しい姿勢を心がけましょう。
常に周りに気を配る
運転中は常に周りをよく見て、周囲の人や物に十分に関心を払いましょう。
周りに何があるかを把握せずフォークリフトを操作すると、重大な事故につながってしまう可能性があります。
右左折の際には荷物から目を離さない
右左折の際には荷物が周囲の物と衝突することが多いため、運搬中の荷物から目を離さないようにしましょう。
しっかりと運搬対象を注視することで、接触事故を防ぐことにつながります。
まとめ
ここまでフォークリフトの駐車のルールについてお伝えしてきました。
大切なことは以下の通りです。
- 基本を忠実に守る
- 安全確認を怠らない
- 周りをよく見て走行する
- 落ち着いて操作する
これらの情報が少しでもお役に立つと嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。安全運転を心がけ、日々の業務をさらに良いものにしていきましょう!